視察研修③東日本大震災・原子力災害伝承館

2日目は東日本大震災・原子力災害伝承館を見学しました。前日の夜に双葉町に入り、伝承館の横にあるビジネスホテルARM双葉に泊まりました。宿泊者の多くは工事関係の方で、ベットの上には洗濯物が干せるようロープが張ってありました。復興のために働かれる方々が宿泊されるホテルに泊まれるのも良い経験だったと思います。

夕食時間まで待ち時間があったので、双葉町を車で見て回りました。商店街の灯はついているのですが家の灯はなく、地震なのか、老朽化なのか、潰れてたり、傾いたりしている住宅がありました。人が住んでいないとこんなにも暗いのかと感じました。

少し車を走らせると通行制限区域の看板があちこちに・・・。まだ除染作業が行われていない地域も多いようで、制限区域はしっかりガードされ、12年を経過してもなお復興は道半でした。特に見学は問題ないと確認して訪れた双葉町ですが、道路には人体に影響の与える数値ではないですが、放射線量の測定値が表示されていました。

少しですが新しい住宅や集合住宅も建ち、駅や双葉町役場も新しく整備されていましたが、震災前は約7,000人だった人口は現在約5,500人弱。若い世代は、働く場所などがなければ戻ってきたくても戻ることはできません。今後どのように復興させていくのか考えさせられました。

令和2年9月にオープンした伝承館は、福島が経験した原子力災害を伝えるための施設で、展示内容、ガイドなどとても充実した施設でした。一般の他に、学生さんのフィールドワークの場所としても活用され、多くの方が訪れていました。

私は最初のプロローグビデオ(5分)で涙が・・・。その後はガイドさんの説明を聞きながら館内を回りました。

一番上の線まで浸水

福島第一原子力発電所のジオラマを使った説明は、1~4号機の建設場所の岩盤が良くなかったので固い岩盤まで削った結果が海抜10Mになったこと、津波が13Mだったこと、非常用ディーゼル発電機が地下にあったため、津波の海水で故障したこと、メルトダウンが起きたこと、特に2号機からの放射能物質の放出が問題だったなど、わかりやすい説明でした。

その後、先着順の館内語り部講話を申し込むと、その日の語り部の方は5~6年前に芦屋町教育委員会主催の講演会で話をされた岩橋さんという方でした。

こんな場所で芦屋町と関係のある方と出会うとは本当に驚きました。岩橋さんは、「自分の命は自分で守ることが大切。必要な情報は自分から取りに行くこと」と何度も話をされていました。そして「この震災を教訓にしてほしい」と。

芦屋町は災害の少ない町と思われていますが、川と海に囲まれ、絶対に災害がないとは言えません。1日目の視察でも住民主体がポイントでしたが、この災害に関しても住民の災害に対する意識を高めることが一番重要で、そのための施策が必要です。

先進地の取り組みはネットの情報だけではわからないことも多く、現地に出向いて得る情報は大切で、外から見る芦屋町を知ることも勉強になります。出来るだけ議員の視察研修の内容がわかるようにと考え、長くなりましたがこれで私の研修報告を終わります。あとはどのように活かすかです(^^)/