介護保険料値上げ

大変ご報告が遅くなりましたが、2月2日の午後から、介護保険広域連合議会が開催され、私も吉塚のサンヒルズ博多に行って来ました。今回の大きな議題は、来期から始まる第9期介護保険事業計画における介護保険料についてです。

広域連合の設立当初は、33の全ての構成市町村で同一保険料になっていましたが、2005(平成17)年からはグループ別保険料を導入しています。次の第9期計画期間でも、令和3年度及び令和4年度の実績に基づく「高齢者一人当たり給付費」を基に、構成市町村を1:2:1に分け、(Aグループ(8)、Bグループ(17)、Cグループ(8)の3つに区分)グループ別に保険料を設定します。

このグループ構成を見ると、令和3、4年度の「高齢者一人当たりの給付費」が一番高いのはAグループの東峰村で387,855円、一番低いのはCグループの宇美町で196,905円となっています。芦屋町はと言うと、Bグループ(14番目)で292,681円となっていました。ちなみに岡垣町(20番目)もBグループで283,443円、水巻町(21番目)もBグループで268,354円です。一方で、遠賀町(27番目)はCグループで227,354円となっていました。

次に保険料の算定方法は、国から示されている計算方法で行われ、各グループ毎の基準額(第5段階)(第9期のAグループ7,153円、Bグループ5,969円、Cグループ4,976円・・全て月額))を基に1~25の所得段階に応じて保険料を決定します。また、所得の少ない第1~3段階の保険料に対しては、軽減措置が行われるため、さらに保険料は低くなるよう設定されています。しかし、所得が増えるにつれて基準乗率は高くなるため、一番所得の高い第25段階の負担割合は基準額の2.50%となっています。

そのため、この基準額の見直しが今回の一番の議題でした。特に保険料が引き上げられるのは、芦屋町も含まれるBグループで442円増。Aグループは50円減、Cグループは162円増となっています。Bグループの保険料を引き上げる理由は「第1号被保険者(65歳以上)の増加」です。Aグループの65歳以上の人数はすでにピークアウトしていますが、B、Cグループではまだ増加傾向にありました。つまり、想定される利用人数やその自治体の「高齢者一人当たりの給付費」に応じた保険料が算定されるたようです。

広域連合では、保険料の引き上げを緩和するため、基金53億円の内、45億円を第9期の保険料に充てる予算を提案していました。しかし、出席議員の中には、物価高騰などを理由に「8億円残さず、基金を全て取り崩すべき」との意見が出されました。広域連合の回答としては、第8期はコロナで利用控えもあり、次の9期で利用が増える可能性などに鑑み、8億円は残しておきたいとの説明がありました。結果は賛成多数で可決されました。

確かに物価高騰が続く中、保険料の引き上げはしない方が良いに決まっています。しかし、引き上げの理由が「65歳以上の高齢者の増加」であれば、安定した事業運営を進めるためにもある程度仕方ないと判断しました。また、基金を全て保険料に使った場合、もしも想定以上に利用が上回った時のことを考えると不安があり、反対討論された議員の方々の意見に賛同することはできないと思いました。よって、私はこの議案に賛成しました。

私は、今後、私たちが取り組むべきは、高齢者の方々が要介護状態にならないよう介護予防に取り組む施策を充実させ、誰もが住み慣れた自宅で最期まで暮らせるようにしていくことだと思います。また、芦屋町のメタボの罹患者数は県内トップクラスとのことです。生活習慣病から介護状態に進むことも十分考えられるため、どうすれば町民の方々が健康な生活が送れるようになるのかも調査研究していきたいと思っています。